【竹中規雄先生(東京大学大学院工学系研究科)ご講演の様子2024.8.9】
「電気化学シミュレーションによる次世代蓄電池材料の解析と設計」と題し、東京大学大学院工学系研究科 特任講師 竹中規雄先生にご講演いただきました。
蓄電池開発の重要な要素であるアノード材料、カソード材料、そして電解液の開発について電気化学シミュレーションを基に、その場測定に代わるその場シミュレーションともいえる研究成果についてのご講演でした。特に、従来は現象の理解が難しかった電極での被膜形成など、分子動力学シミュレーションと第一原理計算とを組み合わせた計算結果についてご紹介いただきました。さらに、化学の分野においても新たに活用されるようになってきた深層学習を活用した原子シミュレーションにも触れていただき、これまでの時間制約を大きく解消したシミュレーションの可能性についてもご教授いただき、今後の研究にも参考となる非常に有意義な講演となりました。
ChemEngX Seminar Seriesと題して、第2回となる工学部化学バイオ工学科 茂木堯彦講師主催のテニュアトラックセミナーを下記の日程で開催致します。
今回は、化学工学との融合分野において研究を行っている第一線の若手研究者、
東京大学 竹中規雄先生をお迎えし、
『電気化学シミュレーションによる次世代蓄電池材料の解析と設計』についてご講演いただきます。
記
日 時:2024年8月9日(金)14:00~15:30(開場:13:30~)
会 場:ハイブリッド開催
・静岡大学 浜松キャンパス 総合研究棟 2F 21教室(現地参加は申込不要)
・オンライン参加 ※要事前申し込み
https://forms.office.com/r/UGVtK490pS
対 象:学生、教職員、一般
参加費:無料
講 師:竹中 規雄(東京大学大学院工学系研究科 特任講師)
【概 要】
電気自動車の大規模普及と自然エネルギーの有効利用を前提とした持続可能社会の実現には、電気エネルギーを柔軟に受給できる優れた蓄電システムの開発が不可欠である。そのためには、高度な設計コンセプトに基づいて、蓄電池材料の性能を最大限に引き出すことが求められる。蓄電池の性能は主に、電極-イオン間の電子授受のしやすさを表す”電極電位”と電極/電解液界面の(電気)化学反応で形成される”保護被膜”によって決定される。本講演では、これらを解析するために講演者が開発を進めてきた電気化学シミュレーション手法を紹介し、実験との共同研究を通じて得られた蓄電池材料の設計戦略について議論する。