農学部 西山教員によるセミナーを開催【報告】

【野崎 翔平先生 (国立大学法人筑波大学 助教)のご講演の様子 2026.10.16】

「DNA認識拡張機構からたどる根粒共生鍵転写因子の進化」と題し、筑波大学の野崎翔平先生にご講演いただきました。

根粒共生は、マメ科など一部の真正双子葉植物が根粒菌と共生し、大気中窒素を利用可能にする仕組みです。この共生を成立させる遺伝子発現プログラムの中心的制御因子が転写因子NINであり、NINは硝酸応答転写因子NLPから進化した因子ですが、その機能進化を支えた分子機構は長らく不明でした。

本講演では、野崎先生らが明らかにしたNINの広範なDNA 結合選択性を中心に、その分子構造基盤、NLPからNINへの機能進化の過程、さらに根粒共生獲得との関連について最新の知見を紹介していただきました。
導入部分では、根粒菌との共生や植物特有の転写因子についてなど、学部生や大学院生にとっても理解しやすい解説をしていただきました。また、野崎先生らがNLPからNINへの進化に寄与する「FRドメイン」をバイオインフォマティクスや生化学的解析を駆使して同定された話や、NINのFRドメインがマメ科植物と根粒との共生に重要であることを遺伝学的・生理学的に確かめられた結果などについて、詳しくご紹介いただきました。

当日は聴講者からも活発に質問があり、本学における植物科学や微生物学、生化学など幅広い分野の研究者が新たな知見を得る場になったことが伺えました。
講師の野崎先生に多大なる感謝を申し上げます。

【以下開催案内↓】


農学部 応用生命科学科 西山康太郎助教主催のテニュアトラックセミナーを下記の日程で開催いたします。

今回は、筑波大学の野崎翔平先生を講師としてお招きし、
「植物と根粒菌との共生において鍵となる転写因子の進化メカニズム」について、
ご講演いただきます。
本講演は、主に農学部の学生と教職員を対象としており、植物科学分野と微生物学分野をはじめとした農学領域に広く重要な「共生」「窒素固定」「転写因子」といったトピックについて、分子的な視点から学ぶことを目的としております。

 


日 時:2026年10月16日(金)14:25~15:55(開場:14:15~)
会 場:静岡大学 静岡キャンパス 農学総合棟504

テーマ:「DNA認識拡張機構からたどる根粒共生鍵転写因子の進化」
講 師:野崎 翔平(筑波大学 生命環境系 助教)

参加費:無料

【概 要】
根粒共生は、マメ科など一部の真正双子葉植物が根粒菌と共生し、大気中窒素を利用可能にする仕組みである。この共生を成立させる遺伝子発現プログラムの中心的制御因子が転写因子 NIN である。NIN は硝酸応答転写因子 NLP から進化した因子であるが、その機能進化を支えた分子機構は長らく不明であった。
本講演では、我々が明らかにした NIN の広範な DNA 結合選択性を中心に、その分子構造基盤、NLP から NIN への機能進化の過程、さらに根粒共生獲得との関連について最新の知見を紹介する。