工学部 茂木教員主催によるセミナーを開催【報告】

【嶋田 五百里先生 (国立大学法人信州大学 准教授)のご講演の様子2025.9.11】

「複雑な反応系に対する機械学習を利用した反応解析」と題し、信州大学 嶋田五百里准教授にご講演頂きました。
触媒反応に対し、反応メカニズムや反応経路などの解析を行う試みは古くから速度論的モデルをベースに行われてきましたが、近年の機械学習の進化に伴いデータ駆動型の解析が発展してきました。嶋田先生には、実験系の初学者がいかにして機械学習モデルを取り入れていくかという実体験を基に、クラッキング反応を例に、線形・非線形の統計的モデルから機械学習モデルへの展開をご紹介いただきました。特に複雑な反応物・反応系に対して、モデルの構築に対しどのように特徴量を抽出・設定するかについて実験系研究者ならではのアプローチをご説明頂きました。また最新の研究として、触媒反応だけではなく、物質拡散を取り入れた、拡散方程式と反応方程式の連立モデルについてもご紹介いただきました。 」

教職員・学生にとって非常に有意義なご講演となり、講師の嶋田先生に多大な感謝を申し上げます。


ChemEngX Seminar Seriesと題して、第4回となる工学部化学バイオ工学科 茂木堯彦講師主催のテニュアトラックセミナーを下記の日程で開催致します。

今回は、化学工学との融合分野において研究を行っている第一線の若手研究者、信州大学 嶋田五百里先生をお迎えし、化学工学×機械学習の観点から研究や動向について紹介いただきます。

日 時:2025年9月11日(木)14:00~15:30(開場:13:30~)
会 場:ハイブリッド開催
・静岡大学 浜松キャンパス 3号館109号室(現地参加は申込不要)
・オンライン参加 ※要事前申し込み
https://forms.office.com/r/ZBvki4x5ek

対 象:学生、教職員、一般
参加費:無料

講 師:嶋田 五百里 (信州大学 学術研究院(繊維学系) 准教授)
題 目:「複雑な反応系に対する機械学習を利用した反応解析」
【概 要】
様々な触媒反応において反応機構を解明し速度論モデルを構築することは効率的なプロセス設計に向けて不可欠です。従来の反応工学では反応経路を単純化して仮定した反応解析が主に行われてきました。一方、最近の機械学習の発展により、データ駆動型で重要な反応経路を見出したり速度論モデルを構築したりすることが可能となってきました。本講演では、重質油やバイオマスの転換反応を例として、講演者がこれまでに取り組んできた複雑な反応系に対して機械学習を導入した反応解析の成果について紹介します。