研究者紹介 中村彰彦

  • なかむら あきひこ
    中村 彰彦
  • 職名 准教授
    学部 農学研究科
    研究分野 生物物理学, 糖質関連酵素学
    研究キーワード 1分子計測, 分子モーター, 高分子分解酵素
    最終学歴 東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻

    研究暦 2013年4月~2014年3月 東京大学大学院 農学生命科学研究科 日本学術振興会特別研究員DC2
    2014年4月~2014年12月 東京大学大学院 農学生命科学研究科 日本学術振興会特別研究員PD
    2015年1月~2019年12月 自然科学研究機構 分子科学研究所 助教
    総合研究大学院大学 物理化学研究科 助教併任
    コメント セルロースやキチンは植物細胞壁や甲殻類のカラなどに含まれる高分子多糖類です。しかし糖の分子鎖同士が相互作用し、固体結晶状態であるためとても安定であり、その変換は容易では有りません。天然ではキノコ、カビ及びバクテリアなどの微生物がセルラーゼやキチナーゼ等の酵素を生産しそれらを分解しています。これらの酵素は基質結晶表面に吸着し、分子鎖末端から連続的に低分子化することで効率的な分解を行っています。固体表面で反応を行うこれら酵素は、分子ごとに反応状態が異なるため、1分子計測により吸着速度、脱着速度及び運動と停止のサイクルを詳細に解析することで、その反応機構を解明しています。これにより分解効率の更に高い酵素の開発に貢献していきたいと考えております。
    また他の高分子基質として動物細胞表面のヒアルロン酸及びプラスチックの一種であるポリエチレンテレフタレートなどがある。これらの物質は受精や病原菌の防御に関わっていたり、環境中での残留問題などで注目されています。そこでセルラーゼやキチナーゼの解析で得られた知見や手法を用いてヒアルロン酸分解酵素やポリエチレンテレフタレート分解酵素の解析も勧めていきたいと思います。