研究者紹介 北村勇吉

  • きたむら ゆうきち
    北村 勇吉
  • 職名 助教
    学部 工学部
    研究分野 理論化学、計算化学
    研究キーワード 量子化学、分子シミュレーション、凝集系化学反応系
    最終学歴 名古屋大学大学院情報科学研究科(現 情報学研究科)

    研究暦 2013年4月~2015年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
    2015年4月~2020年9月 名古屋大学大学院情報科学研究科 科学研究費博士研究員
    コメント 化学製品から生体物質に亘る多くの系は、溶媒や共存分子群を含む分子集合環境の中で、機能的な化学的・物理的応答を示します。これらの”凝集系化学反応系”を理論的に理解するために、量子化学計算や分子動力学計算などの理論計算手法を駆使しながら, 液体系や生体分子系といった凝縮相系の構造・ダイナミクス・ 分子間相互作用・分光学的性質・機能などの解明に取り組んでいます。これまで、自由エネルギー勾配法に摂動的自由エネルギー補正法を新たに導入し、高精度な量子化学計算手法に基づいた構造最適化およびスペクトル解析が可能となる方法論を開発し、構造変化と溶媒効果による振動スペクトルの分子的起源を明らかにしました。また、溶液反応におけるpH依存特性を考慮するために配置選択(Configuration Selection: CS)法の導入した新規分子動力学シミュレーション法を開発し、手続きの簡素化しただけでなく、従来の離散的な状態遷移過程では難しかった微視的な溶媒効果を考慮することが可能としました。さらに、量子化学計算法を導入することで、有機分子や生体分子のみならず、無機分子を考慮することが可能としました。また、生体高分子のアロステリック制御機構に関する研究も推進しており、情報科学手法(統計解析や機械学習法など)を応用することで、詳細な構造変化様式やエフェクターの分子的起源を明らかにしています。これまで得られた理論的・情報科学的手法を発展させることで、凝縮相系での分子スペクトルの解明に取り組んでいます。